2年生のうちの息子さんは動じないタイプの人だ。
保育園の頃、探しもの競争で彼のメモに書かれていた物は それまでのレースで既にゴールした友達のメモにも書かれていたようで
借り物を見つけ出す箱のなかには無い状態だった。
でも、次々と友達たちがみんなゴールしていく中、彼は箱のなかを黙々と探し続けた。
彼の様子を見ていた先生が、慌ててゴールから彼のメモに書かれていたものを持ってきて箱に入れ、
そうしてやっと彼はメモに書かれていたものを箱から見つけて、ゴールに走って行った。
泣くこともなく、ブーブー言うこともなく
なんと声かけしてよいか迷った末「がんばったなあ」と声を掛けたわたしに
「いちばん最後やったけどな」と全部わかっているかのようにケロッと言ってのけてくるような
不思議な人だずっと。
小学校入学前から、急な熱などで幼稚園を休む日に 仕事でどうしても一度出社せねばならない場合も
「だいじょうぶ◎」と言って2時間くらいは一人で留守番してくれてしまうような人だった。
手のかからない人だったのだずっと。
そんな彼がこの夏少し変わった。
猫がわが家にやって来て赤ちゃん返りしたのか?? 留守番をいやがるようになった。
夜寝る時もやたらとベッドに呼んでくるように。
これまで彼に甘えて物凄く助かっていたことが一挙にできなくなって
母としてはちらほらと困ることが出て来はじめてしまった。
なんで今になって赤ちゃん返りなんやー??!
器のちいさい母は 少々めんどくさく感じたりしながら
どうしたもんかと腕組し始めていた。
何でかな、何でかな。
考えているうちに ふっと降りてきた気づきのようなもの。
そうか?? そうか。 うん、そんな気もする。
彼は、ようやっと、世界が見えはじめたんじゃなかろうか。
一人になった時、静かな空間、時間の中で、やっと「一人」を実感したのではないんだろか。
「一人でいること」をそんなに深く考えたことが、実はこれまではなかったんじゃないんかな。
幼くなったんじゃなくって、成長してるってことか…?
こりゃ目一杯甘えんぼうに付き合うタイミングなんか ??
ヨガでは、アスティーヤ=奪わない という考え方がある。
物をとらない、盗まない。
居場所を奪わない。時間も奪わない。
雰囲気も奪わない…
そしていろんな奪わないがあると気づいてから
とりわけいつも難しいなあと感じてるやつ…
それが、まさに目の前に!!
成長を奪わない。 可能性を奪わない。
……少々面倒くさくても、付き合ってみるか。
彼にとっての今は今しかなく、わたしにとっての今も、今しかない。
この機を逃して、お互い何かを取りこぼしてしまったとしたら
そんな勿体ないことあるだろうか。
今日も丁寧に。
気づきもしないままにいつのまにか何かを奪ってしまうことだってあり得る。
だからとにかく、目の前のことに丁寧に過ごそう。
見知らぬ人たちのことも
見知らぬものたちのことも。
今日出会うぜんぶのもの、一つひとつに感度を上げて。
その人モノコトたちの役に立てるように。
自分も何かを取りこぼさないように。
もちろん無理はしないように◎
自分からも 穏やかさや豊かさを奪ってしまうことのないように。
🌵
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